忘れていた感覚を思い出した夜。Monochrome Circus“アンサンブルプレイ”を見て

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いろいろとかっこいい言葉で書けたらと思ったけど、言葉を重ねるほど野暮になっている気がしてならないのでシンプルに。Monochrome Circusの最新公演“アンサンブルプレイ”がちょうよかった。ラストシーンで感動して涙が出るのをぐっとこらえてたくらい。泣きそうだった、といろんな人に言ったら『?』という顔をされたけど、わたしはそれくらい感動した。

 

Monochrome Circusは京都をベースに活動するコンテンポラリーダンスカンパニー。「身体をめぐる/との対話」をテーマに国内外で活躍、アジアやヨーロッパなどこれまでに世界各国で公演を行う団体だ。

 

今回この公演を見に行くことになったきっかけは、アンテナの編集長である堤が勤める会社・ロフトワークの合宿にMonochrome Circusが来ていたということ(詳しくはこちらに)、そこに以前アンテナのコラムで登場していた合田有紀さんが講師として来ていたということ、その話を聞いて、ってくらいだった。私ここまでほとんど関係ない…。なんなら合田さんの話を聞いて、『あの燃えている人!』という言葉が一番初めに出てきたくらい…。

 

 

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燃えている人(合田さんが登場したコラムのメイン画像で使用されているものです)

 

 

コンテンポラリーダンス…正直とっつきにくいと思っていた。自分には到底理解できない、高尚なものだと勝手に思い込んでいた。

その思いを覆してくれたのは、公演直前の稽古現場。稽古場に行くと、アンサンブルプレイの演出をされている野村香子さんや今回出演されている豊原響子さんがが笑顔と温かい雰囲気で迎えてくれたのをよく覚えている。この瞬間に、とっつきにくいという感情はなくなっていたのかもしれない。

 

ラストシーンの稽古を見せてもらうことになって、野村さんに『よかったら枠の中で見てください』と招いてもらって、ステージの大きさに区切られた枠の中で稽古を見た。15人の役者が無作為に歩き回るシーン。私の真横をびゅんびゅん通りすぎる役者さんたちはどこか一点を強く見つめて歩き回る。私になんか目もくれず。彼・彼女たちはただただ力強く歩く。その光景を見ながらメモを取っていたら手に汗をかきはじめる私。脇汗もかいたいし、体もじんわりと熱くなる感覚があった。冷房の効いた部屋でただただ歩く彼・彼女たちを見ていただけなのに、だ。高揚感に似た何かすら感じた。彼・彼女らは歩いているだけなのに…?今思い返しても不思議だ。コンテンポラリーダンスという表現には、得体のしれない大きなパワー(なんか怪しげな表現になってしまったが…)を秘めいているのだろうと、適当な解釈で自分を納得させることで精一杯だった。

抽象的な表現のオンパレードで申し訳ないのだが、こんな体験をMonochrome Circusを見てすぐにした。稽古を見た瞬間から、私はMonochrome Circusの虜になっていたに違いない。

 

繰り返される稽古。同じシーンを見ているはずなのに、同じような流れには一度も生まれない。きっと『こうしてくれ』とふわっとした指示の元で、演者が考えてシチュエーションに合わせて動いたり演じたりするのだろう。だから同じ動きは二度と生まれることはない。この強烈に刹那的なパフォーマンスにすごく惹かれた。

 

そもそも私は予定調和が嫌いで、そのせいもあるかもしれない。大体のことは大概予想がついて、結末も見えている。でもその稽古は明らかにそうではなかった。何周しても、全く同じものが生まれない。これが“Dance in Bilding”の醍醐味の1つであることは間違いないとその場で確信し、公演への期待へと変わっていたのは言うまでもない。

 

 

そして本番当日。

予想ははるかに上回る感動が自分の中で生まれた。

前途したように稽古を経てからの本番だったからだろうか。感動がひとしおだった。

観客のように振舞っていた演者が突然真横でムーンウォークを始めたり、床にへばりついて自分の方向に這いつくばって歩いてくるのだ。無造作にフロアに押し込められた観客はきょろきょろと全体を見渡しながら困惑している。壁にもたれかかり、クールにみようとしていた人たちは、いきなりスポットライトを浴びて全員の演技に巻き込まれる。演者の女子3人に囲まれて困惑しながらも笑みを浮かべていた観客の男の子の顔が忘れられない。

 

演者と観客の境界線があるようでない。そのスリリングなボーダラインを楽しむ感覚が、ものすごく面白かった。自分も演者のように動いて踊ったら演者と勘違いしてくれる人はいるのか?なんてことも考えていた。何かを見ていて、想像が膨らみワクワクする感情をもらえたのは本当に久しぶりだった。だからたぶん、余計に感動したんだと思う。

 

予定調和や、その場でしか起きない何かに期待する感覚はライブにそっくりだった。それに期待して足繁くイベントに通いたくなる。また、あんな気持ちを味わえるんじゃないかって。私は、昔っから1枚のCDよりも1本のライブを選ぶ人間であった。完成された美しいパッケージにはない、泥臭さや汗の匂い、そして何が起こるかわからない期待がライブにはあったから。そんな部分で、音楽のライブの共通点を感じたりした。多分ライブが好きな人は、絶対好きだと思う。

 

誰もが自由に楽しめて、誰もがいろんな角度からそれを体感できる。コンテンポラリーダンスの懐の深さを感じさせられた。言葉やメロディ、ましてや知識ががなくても、楽しめるコンテンツ。こんなの他にはないでしょ。肌に合わない人もいるかもしれない。でもライブ好きな人にはコンテンポラリーダンスを気に入ってもらえると思って、今回こんなブログを書いた。音楽周りの人にほど、Monochrome Circusの公演を見てもらいたい。たぶん、ライブに行き始めた時のような感情が蘇ってくるはず。

 

 

次回Monochrome Circusの“Dance in Bilding”は、10月1日に京都市内各所で行われるニュイブランシュにて行われる予定だ。アンスティチュ・フランセ関西をまるっと使ったこの公演、どう考えてもすごい体験ができるはずなので、今回の公演を見逃した方は要チェックです。http://www.nuitblanche.jp/schedule/institut-francais.php

 

論理的でもなく、『すごかった』の単語が並ぶ感想文…。いいんです、それくらい、私は感動した!このどうしようもない思いを外に吐き出したくてつらつらと日記を書きました。お付き合いいただき、ありがとうございました。

これ読んだ人、次はニュィブランシュで会いましょうね。

 

Running On The Winding Road

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写真は週末のスキマアワー撤収後のアゴラホール。できて4年目の綺麗なホールでした。ぺかぺか。

スキマアワーについては写真が終わってから詳しく書きたいと思います。

 

 

 

 

 

最近またハイスタや健さんをよく聞いている。今度書く記事も健さんのことを書こうと、歌詞カードを見返している。

私が音楽の仕事をしたい、と思った時からハイスタとか健さんの音楽がすぐそばにあって、

高校生くらいの私は、

彼らと一緒に仕事がしたい、そう思って音楽業界を志していたことを最近思い出しました。

 

憧れでも、叶わぬ夢でもなくて、

いつか掴めるかもしれない目標になった今。

どうするかは自分次第であることもよくわかっていて。

音楽の現場からは少し離れた場所にはいるけれども、

着実に歩みを進めていきたいと、今週末も思いました。

全ては、自分で引き寄せられる。

昨日の自分を常に更新できるように、1日1日を生きれればと思いました。

父親が死んでからは、生きる死ぬのレベルで物事を考えがちです。

この気持ちを忘れないようにメモ。

 

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怒涛の3日間が終わりました。

立秋ですが、京都はやっと夏本番の気候です。

週末の写真早めに仕上げる!